サラリアンの特殊部隊からの救援要請を受けたノルマンディー号は惑星ヴァーマイアに向かった。ゲスの地対空砲を避けてヴァーマイアに上陸したシェパード少佐は、敵の地上部隊を排除して砲台の制圧にも成功した。制空権を確保したためノルマンディー号はヴァーマイアに着床することができ、件のサラリアンの特殊部隊と合流することもできた。
諜報の結果サレンの秘密基地を発見したキラヒー隊長率いるサラリアンの特殊部隊は、彼らが要請していた艦隊が来なかったことに落胆したようであったが、スペクターであるシェパード少佐を信頼して情報を共有してくれた。
曰く、ジェノファージで絶滅の危機に瀕しているクローガンの繁殖法を発見したサレンは、ヴァーマイアの研究所で彼らを繁殖させて軍勢を強化しようとしてるため、この惑星の基地破壊はサレン弱体化のためには不可欠である。この衝撃の事実にクローガンのレックスは憤りを隠せなかったが、シェパード少佐に説得されたレックスは、クローガンを戦争の道具にしようとするサレンへの敵意を増大させて協力を約束した。
作戦会議の結果、シェパード少佐とアレンコ大尉、ギャレスの精鋭部隊は研究所に密かに潜入してこれを破壊し、ウィリアムス軍曹とキラヒー隊長率いるサラリアンの特殊部隊は陽動作戦を展開することとなった。
陽動部隊のおかげで研究所に潜入できたシェパード少佐らは、ここではハスクやクローガンに加え、洗脳の研究が行われていることに気が付いた。侵入者を撃退しようとするゲスを倒しながら研究所を突破した少佐は、サレンの私室に入り、衝撃の事実を知らされる。サレンが搭乗していたソヴリンは単なる戦艦ではなく、巨大な機械生命体だというのである。
意志を持つ戦艦ソヴリンからの接触を受けたシェパード少佐は、その口から事件の真相を聞かされた。ソヴリンの属する種族は、死神リーパーという名で知られる伝説の種族であり、どんな有機生命体よりも長生きをしている機械生命体で、あまたの有機生命体の興亡を目撃してきた。というよりも、彼らはある目的のために、有機生命体を高度な知的生命体に進化させては、その繁栄の絶頂期に彼らを“刈り取り”絶滅させてきたという。高度な先史文明プロセアンも例外ではなかった。そして人類を含めた現在の有機生命体らは絶頂期にあるため、“刈り取り”の時期がやってきたと知らされた。
有機生命体の全滅を免れたいサレンは、積極的にリーパーに協力することで、奴隷として生き延びることを望んだのであろう。彼は私利私欲のために評議会を裏切ったわけではなかったようだ。それでも哀れなサレンは、いつの間にかリーパーの虜として洗脳され、機械化も始まっていた。
機械生命体の“神”のようなリーパーがサレンとゲスにまつわる事件の背後にいたと知ったシェパード少佐は、急いで研究所を爆破してこの脅威を評議会に伝えようとする。サレンの急襲を退けた少佐は、キラヒー隊長率いる部隊を守ろうとしたアシュリー・ウィリアムス軍曹の戦死という損失はありながらも、核で研究所を吹き飛ばすことに成功した。
シタデルに報告のため戻ったシェパード少佐は、サレンの脅威に対処してリーパーの軍勢を撃退する鍵を探るべく、評議会艦隊の派遣を要請した。しかし、銀河の責任者として慎重を期さなければならない評議会は艦隊の派遣要請を却下した。それどころか、最近も核を使用した「トルファンの殺人鬼」が余計な騒擾をおこすことを恐れ、ノルマンディー号を封印してしまった。
評議会の決定は政治的には全く妥当な措置と評せるが、迫りつつある銀河の危機の前では、愚行であった。銀河の危機を救えるのはシェパード少佐のみであると信じた元上官のアンダーソン大佐は軍法会議を覚悟で、ウディナ大使のオフィスへ押し入り、大使に暴行を振るったうえでノルマンディー号の封印を解除した。
途中でハケット提督から受けたテロリスト排除の指令を完遂したノルマンディー号は、サレンの脅威に終止符を打ち、リーパーの完全復活を阻止するためにプロセンアンのいた惑星アイロスに向かった。
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