サレンとリーパーの復活を止めるために惑星アイロスに向かったシェパード少佐は、プロセアンが残したVI「ヴィジル」を発見し、プロセアン滅亡の真相を告げられた。曰く、有機生命体の“刈り取り”のサイクルを繰り返すリーパーは、マス・リレイなど高度な技術を与えることで進化に介入してきたが、そんな中でもシタデルは“刈り取り”の際に重要な罠だというのだ。というのも、銀河の中心として機能するよう作られたシタデルの実態はリーパーが休眠する暗黒宙域につながるマス・リレイであり、“刈り取り”の時期が到来するとリーパーの手先であるキーパーがマス・リレイを起動する。するとリーパーが大挙して銀河の首都に押し寄せて有機生命体の中心部を一機に制圧することで混乱を招き、確実に“刈り取り”をすることができるようになるからである。実際、プロセアンを含め、これまでのサイクルはこの手法で実行され、有機生命体は何度も滅亡を繰り返してきた。
しかし、プロセアンは全滅を前にして、次のサイクルを防ぐ手法を考案した。それこそがサレンやソヴリンが探していた「コンジット」であった。プロセアンが開発したコンジットとは、リーパーがキーパーに送る信号を改変することでマス・リレイの起動を防ぎ、リーパーの侵入を阻止する装置であり、次に繁栄するであろう有機生命体に託された一途の希望であった。
暗黒宙域に撤退したリーパーと異なり、監視役として次のサイクルを待っていたソヴリンは、“刈り取り”の時が到来したと確信すると信号をキーパーに送ったが、「コンジット」が機能してマス・リレイは起動しなかった。サイクルが邪魔されたことに気づいたソヴリンは、そして、ゲスやサレンらを操って「コンジット」を手動で回避しようとしたのである。
「ヴィジル」から事件の全貌を聞かされたシェパード少佐は、アイロスからシタデルにつながるマス・リレイを用いて、先行するサレンに追いつこうとした。
その頃、少数精鋭のゲスと共にシタデルに飛んでいたサレンは管制塔を制圧して、ソヴリン率いるゲス艦隊をシタデルに招き入れた。ゲス艦隊の急襲を受けたシタデル艦隊は大打撃を受け、評議員を乗せた旗艦「ディスティニー・アセンション」号も危機に瀕していた。 こうした状況の中、襲撃を受けるシタデルに飛んだシェパード少佐は、暗黒宙域への門が空けられる直前にサレンに追いつくことができた。
メイトリアーク・ベネジアのようにソヴリンに洗脳されているサレンの良心に訴えかけたシェパード少佐の声は、元スペクターの心を動かし、サレンは最後の意志の力で自決した。ソヴリンにより機械化されていたサレンは、生命体としての機能が停止した後も抵抗しようとしたが、シェパード少佐らに破壊された。
こうしてシェパード少佐が銀河の滅亡を救っている頃、ハケット提督率いる人類連合艦隊が救援に訪れ、多大な犠牲を払いながらゲス艦隊を撃退し、“機械神”ソヴリンを撃沈した。
ソヴリンを旗艦とするゲス艦隊が銀河の首都を攻撃したシタデルの戦いは、人類の救援により評議会陣営の勝利に終わった。人類は、ラクナイ戦争でのクローガン、クローガンの乱でのトゥーリアンのような活躍をしたのである。この功績を無視できない評議会は、ウディナ大使を初代評議員として受け入れ、人類は銀河の主要種族の仲間入りを果たした。
一方で銀河を救ったスペクターのローマン・シェパードが主張する「サレン事件」の真の黒幕としてのリーパーとサイクルの話も戯言として信じられなかった。それでも銀河の脅威は去っていないと確信するシェパード少佐は、戦いをやめることはなかった……。
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